インナーフラットとアウターフラットの違いとメリット・デメリット

ハードタイプのスーツケースやキャリーバッグには、インナーフラットとアウターフラットという2種類があります。

これは多段階に伸縮して長さを変えることができるハンドル(キャリーバー)が収まるスペースがボディの外側に飛び出ているのか、飛び出ていなくて平らなのかの違いです。中には伸縮ハンドル自体が付いていない商品もありましたが、最近では見かけなくなっています。

外に飛び出ておらずに平らな外観をしているのがアウターフラットで、当然のことながら外に飛び出ていない分内側に飛び出ている構造になっています。

一方、伸縮ハンドルを収めるスペースがボコッと外に飛び出ているのがインナーフラットで、その分内側が平らな構造になっています。

好んでインナーフラットを指定する人がいる一方、わざわざアウターフラットを望む人はあまり聞かないので、一般的にはインナーフラットのほうが人気があるようです。

しかし、それぞれメリット・デメリットがありますので、それぞれの良い点・悪い点をしっかり比較した上で選ぶ必要があります。

アウターフラットの特徴とメリット・デメリット

外側がフラットな半面、内側に出っ張っているので荷物が詰めにくいというデメリットがあります。この点がインナーフラットが根強い人気がある理由で、内側が平らではないアウターフラットをわざわざ望む人が少ないのも頷けます。

この内側の荷室が平らでないというのは、比べれば確かに荷造りがやり辛いことは事実です。ただ、最近は伸縮ハンドルのパーツが小型化してきているので、大きく内側にボコッと出っ張っていることも少なく、思ったよりも使いにくさはありません。

若干の使いにくさがあるのは事実ですが、実はそれを大きく上回るメリットが有ることはあまり知られていません。その最大の利点は強度で、外側が平らであるアウターフラットのメリットと言うよりは、外側に出っ張っているインナーフラットの大きなデメリットなのです。

外に出っ張りがあるとどうしてもその部分がダメージを受けやすくなり割れやすくなってしまいます。キャスターや取っ手などパーツはもちろんのこと、ボディでもコーナーなど出っ張っている部分ほど壊れやすいことを思い出していただければ当然のことです。

スーツケースのボディは、強度を補強する小さなリブを除けば、余計な出っ張りはない平らな形状のほうが強度が高いのです。そのため、外が平らなアウターフラットは強度面で大きく有利になります。

人によっては全く気にならない程度の若干の使い勝手の悪さと引き換えに、相対的に高強度を得ることができるのがアウターフラットの特徴です。

インナーフラットの良い点・悪い点

インナーフラットは、キャリーバッグの内側の荷室が平らで荷物が詰めやすいことが最大のメリットで、この荷造りのしやすさが人気の秘密です。

これはメリットではあるのですが、慣れれば中が出っ張っているアウターフラットでも荷作りが難しいわけではありませんので好みにもよるでしょう。

ただ、この小さなメリットと引き換えに、ボディの一部が外側に出っ張るため、その部分がダメージを受けやすいという大きなデメリットを抱えています。

また、最近の伸縮ハンドルは、伸び縮みするハンドルを収めておく鞘の部分がボディの上から下まで伸びていて、一種のフレームのように作用している面もあります。その点、最近のインナーフラットの伸縮ハンドの鞘は小型でこの役割を果たせませんので、その辺りもデメリットなのではないかと思います。

まとめると、中が平らで荷造りがしやすい半面、強度という観点から見ると不利なのがインナーフラットと言えます。

どちらがおすすめなのか

それでは、インナーフラットとアウターフラットはどちらがおすすめなのかという話ですが、結論から言えばアウターフラットがおすすめです。

内側の荷室側が出っ張っているのは少し気になりますが、やはり強度面で優位な特徴が圧倒的に優先されるべき点です。ダメージを負いやすい旅行カバンは第一に強度優先でなければいけません。

以前は両者同じくらいの割合で各社から製品が発売されていましたが、最近はアウターフラットのほうが優勢のようで、インナーフラットモデルは以前ほど見かけなくなりました。強度面で有利なことをメーカーもよく分かっているのでしょう。

特にインナーフラットを指名して探さない限り、アウターフラットのモデルを購入することになると思います。どうしても中に出っ張りがない平らなものが欲しい場合は、指名してインナーフラットモデルを探してももちろん大丈夫です。インナーフラットが駄目というわけではありません。

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