スーツケースのフレームとファスナーの違いと特徴

フレームハードケースの強度の要となるのが、真ん中に通っている金属製のフレームです。
ソフトケースやファスナーハードケースは、外から衝撃を受けた際に、ボディ自体がたわんで衝撃を吸収します。

一方、フレームハードケースは、ボディがあまり変形することなく、衝撃を跳ね返します。
この際に、ボディと共に、衝撃に押しつぶされないように形を保とうとするのがフレームです。

このフレームが弱いと、衝撃に耐え切れず、歪んでしまいます。
フレームがゆがむと、スーツケースの開閉ができなくなる恐れがありますので、ここが頑丈であることが非常に重要です。

フレームのメリット・デメリット

フレームの特徴としては、造りが非常にカッチリしている点があります。最近のポリカ100%ボディですと、とにかくボディシェルが薄く造られているのでペコペコなのです。ファスナーですとハードケースなのにフニャフニャしていますが、フレームですとフレームに固定されているのでボディ自体も硬い印象を受けます。

ただ、実際の破損率は実はフレームもファスナーも殆ど変わりません。最近の軽量なポリカ100%ボディですと、フレームやファスナーよりもボディが割れる破損が圧倒的に多いのです。

したがってフレームのほうがカッチリしている印象を受けるだけで、ファスナーよりも丈夫ということではありません。メーカーやモデルのグレードのほうがよほど破損率の差に出ます。

フレームの最大のメリットは堅牢性よりもむしろ防犯性です。頑丈な樹脂製のハードケースであっても、ファスナー部分はナイフなどで簡単に切り裂くことが出来ます。したがって防犯性はソフトケースと変わりません。

その点フレームであれば、簡単に切り裂くことなど出来ません。もちろん犯罪者がその気になれば、バールなどでロックを壊してフレームをこじ開けることも難しくはありませんが、相対的にファスナーよりも壊しにくいので犯人がどちらを狙うか考えればフレームに軍配が上がります。

使われている素材と丈夫なフレームとは

フレームには、スチール、アルミ、マグネシウムなどの素材が使われています。(一部珍しいものとして、樹脂のフレームを採用しているモデルもあります。)
一昔前はスチールフレームが主流でしたが、現在は多くのモデルでアルミフレームが採用されています。
高級モデルではマグネシウムフレームが使われているものもあります。

フレームの素材はそれほど違いが無いものとお考えください。
アルミはスチールの3分の一程度の比重のため、スチールよりも軽いのですが、その分強度も低いため、同じ強度にしようとすると同じような重量になる可能性があります。
自動車の安物のアルミホイールの重量が、スチールのホイールと変わらないのと同じです。

素材よりも、見た目にしっかりしているかどうかが重要です。溝が深く頑丈そうなものを選びましょう。溝が深い深溝フレームのほうがねじれに強く頑丈です。

できれば手で押してみて、たわむことがないか調べてみるのがベストです。明らかに薄く弱そうな印象のフレームは、実際に歪みやすいものです。

ファスナーのメリット・デメリット

フレームが堅牢で防犯性に優れているのに対して、ファスナーは軽量性に優れているという特徴があります。金属のフレームはフレームハードタイプのスーツケースの重量の内の結構な部分を占めていますが、ファスナーは遥かに軽量です。

もちろんフレームやファスナー部分以外にも、ボディシェルや各パーツなどの重量で総合的に重さが決まりますが、金属フレームが無いというのはキロ単位で重量に影響を与えます。

したがって軽量性を重視する方はファスナーを採用しているキャリーバッグを選ぶことをおすすめいたします。

一方のデメリットとしてはやはりフレームよりも防犯性に劣る点で、ファスナー部分をナイフや尖ったものなどで切り裂かれてしまってはひとたまりもありません。

また、フレームタイプと実際の破損率はほとんど変わらないものの、やはり見た目にフニャフニャしていて若干頼りなく感じます。この点に関しては感覚の問題ですので気にならなければ問題ないでしょう。

また、使い勝手も少し異なってきます。これも好みによるのですが、フレームのほうが開け閉めは楽です。ファスナーですと開け締めする際にスーツケースをほぼ1周するラウンドファスナーをビーッと開け閉めしなければいけませんが、フレームですとガチャッとワンタッチで開け閉めできます。荷物をパンパンに詰めている時など、この作業が意外と負担になるので頻繁に開け閉めするのが億劫になります。

旅の初心者はフレームのほうが良いでしょう。旅慣れている方で、安いものや超軽量なモデルの望む場合はファスナーハードケースもありです。ソフトケースも同様ですが、最近はむしろファスナーハードケースのほうがソフトケースよりも安いくらいですので、あまりメリットはないかもしれません。

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