飛行機の機内に持ち込み出来るサイズのスーツケース
飛行機に搭乗する際は、航空会社にスーツケースを預けて、降機後にターンテーブルでスーツケースを受け取るのが一般的ですが、一定の規定を満たすスーツケースなら預けること無く飛行機の機内に持ち込むことが出来ます。
航空会社に依って、あるいは搭乗する機材に依っても異なりますが、一般的には荷物の「縦+横+厚さ」の3辺の和が115センチ以内であれば機内に持ち込むことが出来ます。
スーツケースやキャリーバッグなどキャスター付きの旅行カバンの場合は、当然キャスター部分やハンドル部分などの出っ張りも含めて115センチ以内である必要があります。
機内に持ち込めるということには大きなメリットがあります。第一に、預けたり受け取ったりする必要が無いため手間がなく、特に降機および入国審査の後にターンテーブルで荷物が出てくるのを待つ必要が無いという点は大きなメリットです。いち早く税関に向かうことが出来ます。
また、機内でもスーツケースに入れたものを出し入れすることが出来るなどのメリットもありますが、最大のメリットは破損の恐れが極めて少ないということです。
一定以上の品質のスーツケースは非常に頑丈に作られていますので、普通に引っ張って移動していたり、少しぶつけた程度で破損することは皆無です。
しかし、その頑丈なキャリーバッグも海外の空港などで乱雑に扱われてはひとたまりもありません。キャリーバッグ類の破損は9割以上が航空会社に預けた時に発生し、その確率は一般的に考えられているよりも遥かに高いのが現実です。
機内持ち込みであれば投げられるなどして破損することがありませんので、かなり長く使える旅のパートナーとなります。
一方、デメリットとしては、機内には液体を持ち込むことが出来ないため、スーツケースを機内に持ち込んでしまうと液体を持っていくことが出来ないことになります。化粧品などの液体を持っていく場合は、機内持ち込みは厳しいかもしれません。
機内持ち込みサイズのキャリーバッグの容量
そして、最大のデメリットが、何といっても非常に容量が小さいことなのです。3辺の長さの和が115センチ以内ということで、機内持ち込みサイズのスーツケースはかなり小型のものに限られます。
従来型のスーツケースですと、115センチ以内のサイズで作ると30リットル程度の容量になってしまいます。
近年は、縦横比を見直したり、キャスターなどの出っ張っている部分をボディに潜り込ませるような形状にして、容量アップを図っているモデルも増えてきています。こういったものですと30リットル台後半から40リットル少々の容量を確保しています。
115センチ以内という規定で作るとこれ以上の容量アップは難しいでしょうから、40リットル強という容量が機内持ち込みサイズの限界となります。
大人一人あたり渡航1日10リットルが容量の目安とされていますので、3泊4日程度のお荷物が機内持ち込みの限界ということになります。
旅の上級者は荷物を極限までコンパクトに纏めて、長期の旅でも機内持ち込みで済ませる方もいるそうです。
LCCなどの格安航空の場合は更に条件が厳しい
先に解説した3辺の和が115センチ以内というのは、大手キャリアの機内持ち込み規定です。LCCなどの格安航空会社の場合は、更に条件が厳しくなります。
大手キャリアは3辺の和が115センチ以内ということで、縦横比は自由自在でしたが、LCCの場合は縦横幅それぞれに上限が定められています。
したがって、容量を最大化するために立方体に近づけた形状のモデルはLCCには持ち込むことができません。
115センチ以内規定を満たしたモデルは各メーカーから様々なモデルが出ていますが、LCCに持ち込めるモデルは意外と選択肢が少ないのが現実です。
座席数100席以下の小型機の場合
大手キャリアでも、座席数が100席以下の小型機ですと条件が大幅に厳しくなります。国内ローカル路線などに使われるプロペラ機などは、ほとんどがこの100席以内の小型機になります。
100席以内の小型機に機内持ち込みできるのは、3辺の和が100センチ以内のかなり小さなキャリーバッグになります。
115センチでもかなり小型になりますが、100センチ以内というのはかなり厳しいサイズで、容量が20リットル台前半になります。
この容量は、日常で使うリュックサック程度の容量となりますので、キャスターが付いたキャリーバッグ類であることの意義が問われます。
本当に予想以上に小さく、あまり実用的ではないサイズになります。小型機の機内に持ち込むのは少々厳しいかもしれません。